欧州審議会加盟国であ るこの議定書の署名政府は、
一九五〇年一一月四日にローマで署名した人権及び基本的自由の保護のための条約(以下「条約」という。)の第一節に既に含まれているもの以外の若干の権 利及び自由を集団的に実施するための措置をとることを決定して、
次のとおり協定した。
第一条(財産の保護)
すべての自然又は法人は、その財産を平和的に享有する。何人も、公益のために、かつ、法律及び国際法の一般原則で定める条件に従う場合を除くほか、その財産を奪われない。
ただし、前の規定は、国が一般的利益に基づいて財産の使用を規制するため、又は税その他の拠出若しくは罰金の支払いを確保するために必要とみなす法律を実施する権
利を決して妨げるものではない。
第二条(教育についての権利)
何人も、教育いついての権利を否定されない。国は、教育及び教授に関連して負ういかなる任務の行使においても、自己の宗教的及び哲学的観念い適合する教育及び教授を確保する父母の権
利を尊重しなければならない。
第三条(自由選挙についての権利)
締約国は、立法機関の選出にあたって人民の意見の自由な表明を確保する条件のもとで、妥協な問題をおいて、秘密投票による自由選挙を行うことを約束する。
第四条(領域的適用)
いずれの締約国も、署名若しくは批准のとき又はその後のいずれのときでも、欧州審議会事務総長に宣言を通知し、自国が国際関係について責任を有する地域であ
ってその宣言の中で指定するものについて、この議定書の諸規定を適用することを約束する。
前項によって宣言を通知したいずれの締約国も、いずれかの以前の宣言の条件を変更し又はいずれかの地域についてこの議定書諸規定の適用を終了させる新たな宣言を随時通知することができる。
この条約に基づいてなされた宣言は、条約第五六条1に基づいてなされたものとみなされる。
第五条(条約との関係)
締約国間においては、この議定書の第一条、第二条、第三条、及び第四条の諸規定は、条約への追求文とみなされ、したがって条約のすべての規定が適用される。
第六条(署名及び批准)
この議定書は、条約の署名国である欧州審議会加盟国の署名のために開放しておく。議定書は、条約の批准と同時に又はその後に、批准されなければならない。議定書は、一〇の批准書が寄託された後に効力を生ずる。議定書は、その語に批准する署名国については、その批准書の寄託の日に効力を発揮する。
批准書は、欧州審議会事務総長に寄託され、事務総長は、すべての加盟国に批准した加盟国を通知する。
出典 「ベーシック条約集」 第2版 東信堂