欧州審議会加盟国であるこの議定書の署名国政府は、一九五〇年一一月四日にローマで署名した人権及び基本的自由の保護のための条約(以下「条約」という。)の第一節及ならびに一九五二年三月二〇日パリで署名した条約の第一議定書の第一条から第三条にすでに含まれているもの以外の若干の権利及び自由を集団的に実施するための措置をとることを決意して、
次のとおり協定した。
第一条 (債務による抑留の禁止)
何人も、契約上の債務を履行することができないことのみを理由としてその自由を奪われない。
第二条 (移動の自由)
1 合法的にいずれかの国の領域にいるすべての者は、当該領域内において移動の自由及び居住の自由についての権利を有する。
2 すべての者は、いずれの国(自国を含む。)からも自由を離れることができる。
3 1及び2の権利の行使については、法律に基づく制限であって国の安全もしくは公共の安全。公の秩序の維持、犯罪の防止、健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のための民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課してはならない。
4 1の権利についてはまた、法律に基づいて課す制限であって民主的社会において公益のために正当化される制限を、特定の地域で課することができる。
第三条 (国民の追放の禁止)
1 何人も、自己が国民である国の領域から、個別的又は集団的措置によって追放されない。
2 何人も自己が国民である国の領域に戻る権利を奪われない。
第四条 (外国人の集団的追放の禁止)
外国人の集団的追放は、禁止される。
第五条 (領域的適用) (略)
第六条 (条約との関係) (略)
第七条 (署名及び批准) (略)
出典 「ベーシック条約集」 第2版 東信堂